ファーム通信③ ~ネクストブレイクを探せ~

ファーム通信

こんにちは!三浦ベイ輔です。

ファーム通信第3弾になります。

今回は宮城滝太選手、粟飯原龍之介選手、深沢鳳介選手について。

この3名の選手の特徴や強み、成長点をデータから深堀りしていきたいと思います。

宮城 滝太

まずは宮城滝太選手。昨年の7月に育成から支配下登録され約1年が経過しましたが、ここまで2軍では中継ぎとして素晴らしい活躍を見せています。

防御率:2.04
WHIP:1.10
FIP:2.74
K%:25.3

防御率、WHIP、FIPいずれもキャリアハイの成績。
K%も25.3%と中継ぎとして十分な奪三振能力を発揮しています。

個人的に宮城選手はベイスターズに入団してから最も成長した選手の一人だと思っています。

平均球速
2020年:141.9km/h
2023年:148.4km/h

1番わかりやすいのは球速ですね。平均球速は大きく上がり、入団時からは想像できないほど力強いボールを投げてくれるようになりました。最速153km/hとドラフト時と比べたら10km/h以上伸びていますし、並々ならぬ努力をしてくれたのだと思います。

BB%(四球割合)
2022年:13.0%
2023年:5.3%

そして今年大きく成長を見せているのは、四球割合。昨年より倍以上減らせていることが安定したピッチングに繋がっていると考えます。
では宮城投手は制球が良くなったのか。詳しく見てみましょう。

Zone%(ストライク率)
2022年:44.7%
2023年:43.3%

ボール球被スイング率
2022年:25.5%
2023年:31.9%

実はストライク率自体は昨年よりむしろ悪化。ファーム平均を下回っており、決してゾーン内にボールを集められているわけではありません。
それでも四球が減っている理由の一つに「ボール球を振らせることができている」という要素があると思っています。特にフォークボールのボール球スイング率は50%近く、球自体のキレが増したことも大きな成長点の一つでしょう。
逆に制球についてはまだ伸びしろがあるということにもなりますので、ここもワクワクするポイントですね。

球種割合
ストレート:50.2%
カーブ:21.1%
フォーク:18.2%

また、個人的に今年の宮城選手の面白い点はカーブの投球割合を増やしている点です。昨年まではスライダーの投球割合が2番目に多く、カーブは4番目(11.7%)でしたがこのカーブをカウント球として上手く活用できているのは大きいように見えます。

ちなみにNPBの1軍投手(50イニング以上)で宮城投手よりカーブの投球割合が多い選手はオリックスの山下舜平大選手と中日の小笠原慎之介投手ぐらいです。二人とも比較的球速帯の速いカーブを投げますが、宮城投手のカーブも球速帯としては同様。
元々球が速いピッチャーではなかったからこそ身についたボールだとも思いますし、このボールを上手く使えると先発投手としての可能性も見えてくるように感じるので、磨いていってほしいなと思っています。

ここまで大きく成長してきた宮城選手ですが、更に伸びしろも感じられるのが楽しみな選手です。
期待しましょう!

粟飯原 龍之介

続いて高卒2年目の粟飯原選手。打率.128と苦しんでいるようにも見えますが、最近は成長した姿を見せてくれています。

7月以降成績
打率.353
HR 2
OPS 1.245

打席数は少ないながらにホームラン2本含む長打4本を放ち、ポテンシャルの高さを見せてくれています。元々高校通算33本塁打のパンチ力が魅力の選手。ワクワクさせてくれています。

一方で現状の打率は.128。昨年も打率は.187とプロの壁にぶち当たっているようにも見えますが、アプローチを見ると成長を見せています。

K%(三振割合)
2022年:36.0%
2023年:30.2%

BB%(四球割合)
2022年:5.8%
2023年:9.5%

三振を減らしつつ、四球の割合も増やせています。打球の質も決して平均より悪いわけではない中で、BABIP.162なので、運にも見放されているようにも見えますね。
ストライクゾーンの空振率も24.3%→13.3%と大きく改善していますので、ここから三振の割合が減ってくれば一気に化ける可能性もあるのではと考えています。
長打が打てる二遊間の選手。最高ですね。

ここまでは打撃の成長について語りました。ただ、粟飯原選手の一番大きく成長した点は守備だと思っています。

失策数
2022年:13
2023年:2

UZR(セカンド)
2022年:-8.9
2023年:+2.1

ドラフト時に本人も守備が課題と仰っていましたが、1年目は失策13、UZR-8.9とかなり苦しみました。正直、守備もかなり時間がかかるかと思っていましたが、今年は大幅に改善。
失策はここまで2つ、UZRも+2.1と大成長を見せています。
こういったところも大きなポテンシャルを感じますね。

初年度苦しんだ選手ほど思い入れが強くなるのはファームウォッチャーの性。個人的には牧選手の後釜を担うような選手に成長をしていってくれればと思います。

深沢 鳳介

続いては高卒2年目の深沢選手。ファームで先発投手としてローテの一角として高いポテンシャルを見せてくれています。

防御率:3.12
K%:16.2%
BB%:4.2%

現在は防御率は3.12。序盤こそ打ち込まれるシーンもあったものの、ここ3カ月はすべて3失点以下と高卒2年目とは思えない安定したピッチングを見せてくれています。

深沢選手の一番の特徴と言えば“制球力”でしょう。

Zone%(ストライク率):48.7%
F-Strike%(初球ストライク率):53.3%

いずれの指標もチームトップなのはもちろんのこと、ファーム全選手(50イニング以上)の中でもZone%は4番目の数値、F-Strike%は3番目の数値となっています。

安定してストライクを取れる制球力はもちろん、しっかりとゾーン内で勝負できる自信と球の強さがあるからこその数値だと思います。特にどの変化球でも安定してストライクが取れるのは素晴らしい。
ここは強みとして伸ばしていってほしいですね。

一方懸念だったのが三振率。現状は16.2%と少し物足りなさは感じますが、ここもシーズンの中で成長を見せてくれています。

2023年 K%(三振割合)
4月:7.9%
5月:13.2%
6月:21.9%
7月以降:23.5%

美しいほど右肩上がり。最近は変化球でカウントを整えながら、最後は直球で見逃し三振を奪うケースを良く目にします。

直近行われたジャイアンツ戦では5回~7回で6奪三振を奪う快投。相手の3巡目の攻撃であるにも関わらず、三振を重ねる姿は引き出しの多さ、スタミナ、そして先発適性を強く感じました。

よく平良選手と比較されますが、平良選手よりも細かい変化球を上手く使いながら、変化球中心に組み立てていくピッチャー。まだまだ球速は伸びしろがありますので、今後どのように成長していくのか楽しみですね。

期待しましょう!

過去のファーム通信はこちらから↓

※データは2023/8/8時点。DELTA社より引用

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