ファーム通信2024① ~ネクストブレイクを探せ~

ファーム通信

こんにちは!三浦ベイ輔です。
久々のブログ更新です。今年に入ってから本業の関係で試合観戦以外の時間が取れず、更新が出来ておりませんでした。失礼しました。

さて2024年も無事開幕を迎えました。ルーキーはじめ多くの新戦力が1軍で躍動し、新たな風を楽しみながら観戦出来ている方も多いのではないでしょうか。

一方、新戦力になり得る存在は決して1軍メンバーだけではありません。
2軍にも一冬超えて成長を見せてくれている多くの選手がいます。
今回は蓮選手、益子選手、渡辺選手にスポットを当て、「どのような点が成長しているのか」を語っていきたいと思います。

まずは育成2年目の蓮選手。
ここまでの2軍成績はこちらです。

2023年
打率 .214
OPS .552

2024年
打率 .355
OPS .783

昨年も開幕からポテンシャルの片鱗を見せてくれていましたが、今年は打率.355と高いアベレージを記録。素晴らしい活躍を見せてくれています。

昨年時点での蓮選手の課題は、「プロのスピードへの対応」にあったと思っています。

2023年
打球方向(全投球)
引っ張り方向:21.6%
流し方向:41.0%

打球方向(対ストレート)
引っ張り方向:5.5%
流し方向:58.2%

とにかく打球を引っ張った割合が低く、特にストレートへの対応は顕著。
対ストレートの引っ張り割合は5.5%とファームで50打席以上立った全選手の中で最も低い割合でした。
試合を見ていても直球に刺されるケースは多く、プロのスピードへの対応は苦戦しているように見えました。

それでは今年の打球方向を見てみましょう。

2024年
打球方向(全投球)
引っ張り方向:47.8%
流し方向:26.1%

打球方向(対ストレート)
引っ張り方向:50.0%
流し方向:50.0%

打球方向における引っ張り割合は倍以上に、特にストレートに関しては半数が引っ張り方向への打球と明確に改善しています。
少しタイミングを取るのを早くしたように見えますが、しっかりと速いボールに対する対応が出来てきたのがよくわかりますね。

対ストレート 
打率 .571
OPS 1.238

これは対ストレート成績を見ても明らかでOPSは1.000を超えるなど無双。フェニックスや台湾WLあたりから予兆はあったのですが、一冬でここまで改善してくるとは正直驚きです。

Hard%(打球の強さ)
2023年 23.5%
2024年 45.8%

また、打球の強さも極めて優秀。強い打球の割合は昨年の倍となっています。
これは30打席以上のファーム選手の中ででも5番目に高い割合であり、チームトップと極めて優秀な数値。

ややゴロ率が高めで、長打が出てないのがもどかしいところではありますが、打球が上がってくれれば長打も出てくるでしょう。
支配下登録目指して頑張ってほしいですね。

益子 京右

さて続いて益子選手。ここまでの成績はこちらです。

2023年
打率 .248
HR 0
OPS .644

2024年
打率 .205
HR 2
OPS .654

開幕早々2本のホームランを放つなど、素晴らしい長打力を見せてくれましたが、その後はやや苦しんでいるようにも見えます。

ただ個人的に益子選手が成長していると感じる点はコンタクト能力です。

ゾーン内コンタクト率
2023年 82.4%
2024年 92.1%

Whiff%(空振/スイング)
2023年 27.1%
2024年 18.9%

入団以降、80%前後で推移していたゾーン内コンタクト率は今年は92.1%と高い数値をキープ。これはチーム内でも4番目に高い数値であり、非常に高水準です。
またスイングに占める空振の割合も同様に10%近く良化。コンタクト能力が改善していることがよくわかります。

ボール球スイング率
2023年 26.9%
2024年 20.0%

さらに改善しているのはコンタクト率だけではありません。
元々アプローチ面は強みの選手ですが、今年はさらに進化。ボール球に手を出してしまう割合も大きく低下しキャリアハイの数値を残しています。

コンタクト率は上がり、ボール球スイング率も下げつつ、ここまでホームラン2本と長打も見せてくれるという理想的な成長を見せている益子選手。
打球傾向も決して例年より悪いわけではなく、やや不運な打席も多い印象ですので、この調子をキープできれば、成績的な見栄えもついてくるとは思っています

捕手陣はそれぞれが素晴らしい活躍を見せており、かなり激戦の状態ではありますが、益子選手も成長を見せている選手ですので、捕手争いに食い込んでいってほしいですね。

渡辺 明貴

さあ最後に投手陣から育成2年目の渡辺明貴選手。
ここまで最も衝撃的な投球を続けている投手といってよいでしょう。

5イニング
防御率 0.00
被安打 0
K%(三振率)33.3%
BB%(四球率) 0.0%

ここまで5イニングで被安打0、三振率33.3%と支配的な投球。
なにより衝撃的なのは投球スタイルの変化でしょう。

2023年投球割合
ストレート 56.3%
スライダー 22.6%
フォーク 19.6%
カーブ1.5%

2024年投球割合
ストレート 84.8%
フォーク 13.0%
スライダー 2.2%

なんと今年からストレートゴリ押し系投手へと変貌を遂げました。
ストレートの投球割合は84.8%と5イニング以上投じた全ファーム投手の中でも最も高い数値です。

Zone%(ゾーン内に投じた割合)
2023年 45.7%
2024年 65.2%

なおかつこれをゾーン内に投じたの割合は65.2%とこれまた極めて高い数値。
これも5イニング以上投じた全ファーム投手の中で、最も高い数値。

つまりまとめると、ファーム投手の中で最も高い割合でストレートを投げ、最もゾーン内で勝負している投手でありながら、完璧に相手を抑え込んでいるということになります。変態的ですね。

ゾーン内空振率
2023年 19.4%
2024年 27.4%

この投球を可能にしているのが、空振率の高さ。昨年から優秀な数値ではありましたが、今年はさらに進化。ほぼストレートしか見せずにこの数値を叩きだしているのは異常です。
ストレートで空振りを奪える自信があってこそ、ここまで大胆な投球が出来るのでしょう。

この投球を続けているのであれば支配下も見えてくるはず。
かなり面白いピッチャーですので期待したいですね。

※データは2024/4/13時点、One Point Zero Two|1.02 (1point02.jp)より引用

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