今年のルーキーを考える ~支配下ルーキー達の1年を振り返ろう~

考えるシリーズ

こんにちは!三浦ベイ輔です。

本日は昨年ドラフトで獲得したルーキー達について考えてみたいと思います。

1軍では林選手がCSでも躍動を見せ、ファームでも未来に向けてルーキー達が面白い活躍を見せてくれました。

ドラフト会議も近づいてきていますが、まずは彼らの1年目をそれぞれ振り返ってみましょう。

松尾汐恩

まずはベイスターズの明るすぎる希望、松尾選手。

1年通してファームで素晴らしい活躍を見せてくれました。

松尾汐恩(2軍)
打率.277
HR 7
OPS.722
K% 8.8%

初年度からOPSは.700を超え、HRは7本とチームトップタイ。
そして三振率は8.8%と300打席以上のファーム選手ではトップの数値。類まれないコンタクト能力を発揮してくれました。

松尾選手については6月に記事を書いており、やや疲れが見えた時期はあったものの、基本的にはほぼほぼ変わらないパフォーマンスを続けてくれたので、こちらをご覧ください。

シーズン後半から変化した点は“守備”ですかね。

ブロッキングや盗塁阻止等、課題となっていた前半戦でしたが、後半になって明確に改善。
大きな成長を感じました。

松尾選手は能力はもちろんですが、このような課題を順調に潰していく姿や、投手やコーチ陣とのコミュニケーションの取り方から垣間見える”野球に対する姿勢”が実は1番素晴らしいと思っています。

大きく大きく成長していってほしいですね。

吉野光樹

即戦力右腕としてドラフト指名された吉野選手。
オープン戦で2軍降格後、2軍でも4試合に登板しましたが、6月を最後に実戦から遠ざかる形となりました。

吉野光樹(2軍)
4試合
防御率 11.91
K% 12.9%
BB% 7.0%

どちらかと言えば実力の問題というよりかはコンディションの問題のように感じたファームでの投球。
ライブBP等では登板しているようでしたが、姿が中々見れなかったのは残念でした。

一方でポジティブな面も挙げるのであれば、

Zone%(ストライク率):50.5%(チームトップ)
ストレート空振率:9.4%

Zone%はチームトップと、ゾーン内で勝負する制球力は十分にあるように見受けられました。
ストレートも空振率、フライ率も高いので、おそらくホップ成分が強く質の良い球質なんだろうとは思います。

しっかりとコンディションが戻れば活躍してくれると思いますので、来年に期待しましょう。

林琢真

今シーズンのベイスターズにおいて最も1軍戦力として活躍してくれた林選手。

林琢真(1軍)
打率.206
HR 0
OPS.476
K% 18.8%
BB% 3.9%

数字で見ると寂しい印象は受けますが、特に9月以降は打率.277と立派な戦力として貢献してくれました。学生時代に守っていたセカンドではなく、チーム事情からショートやサードを守ってもらう形となり守備は苦しんでいたようにも見えましたが、終盤は大きく改善し、UZR1000(1000イニング換算のUZR)ではチームトップになるまで盛り返しました。

林選手の打撃の面白さはカウント別の打率に表れます。

林琢真 打率
追い込まれる前 .152
追い込まれた後 .244
追い込まれた後(9月) .333

ちなみにNPB全体の2ストライク後の打率は.178。NPB平均よりも大きく高い打率を記録しました。
特に2軍降格後は追い込まれた後の対応が大きく良化し、厳しい球はカットしつつ、甘く入った球はしっかりと対応できるようになりました。それに伴って打席での落ち着きも増し、狙い球以外に不用意に手を出さなくなったことも終盤にかけての好調の要因だったように思います。

この1年間で大きな成長を見せた林選手。2軍では二塁打を量産する様子を見受けられ、まだまだポテンシャルは測りきれないと思っています。

来年の更なる飛躍に期待です。

森下瑠大

高卒ルーキーの森下投手。
今年はシーズン後半からファームでローテションを回り、先発投手として早速高いポテンシャルを見せてくれました。

森下瑠大(2軍)
9試合
28.1イニング
防御率 2.22
K% 18.5%
BB% 6.7%

1年目から防御率は2点代、三振率も四球率もすでにファーム平均以上の成績であり、高い完成度のピッチングを見せてくれました。

以前夏場に書いたファーム通信では森下選手の良さを「どの変化球でも空振りが取れること」と表現したのですが、シーズン後半にかけては、特に”スライダー”が猛威を振るいました。

森下瑠大(スライダー)
空振率 21.8%
Whiff%(スイング/空振)46.4%
被打率 .036

とにかく空振りが面白いように取れました。
Whiff%46.4%なので、スイングされた内の半数近くは空振りを奪えているということになります。
ストレートの球速もファームの左投手ではトップクラスに出ている中で、軸となる変化球を定めることが出来たのは大きな収穫

後は最長5回1/3のイニング数をどこまで伸ばせるか。
順調に成長してくれることを期待しましょう。

橋本達弥

大卒即戦力候補として入団した橋本選手。
入団前からプロで通用するためのフォーム作りに取り組んでいた関係で序盤は少し苦しんでいたようでしたが、後半にかけて高いパフォーマンスを発揮してくれました。

橋本達弥(2軍)
32試合
33イニング
防御率 3.00
K% 22.8%
BB% 8.3%

シーズン後半以降に良くなってきたは8月以降の成績を見れば明らかです。

橋本達弥(9月以降)
K% 37.0%
BB% 3.7%
K-BB% 33.3%

3.4月はK%が11.5%だったことを考えると、しっかりと三振が取れるようになりました。
出力が上がり、フォークでもしっかり空振りが取れるようになったことで、相手を圧倒するようなピッチングが出来るようになったように見えます。

また、橋本投手の特徴は“カーブ”を上手く使うことです。

橋本達弥(カーブ)
投球割合 24%
被打率 .050
Whiff%(空振/スイング) 35.7%

カーブの投球割合は24%とチームで最も高く、かつ空振率や被打率も優秀。
カウント球として上手く活用出来ているように見えます。

これは今年1軍で活躍を見せた宮城投手と近いスタイル。
来年は宮城投手のように1軍で活躍する姿が見えると思っています。
期待しましょう。

最後に

いかがだったでしょうか?

1軍で活躍したのは林選手のみでしたが、それぞれが成長し、希望を見せてくれたとは感じています。

いつかこの世代が”当たりドラフト”と称される可能性も十分にあり得ると思っていますので、ルーキー達の更なる成長と躍進に期待しましょう!

※データはOne Point Zero Two|1.02 (1point02.jp)より
※2023シーズン終了時点

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