坂本裕哉を考える ~今年の成長と先発再転向について~

考えるシリーズ

こんにちは!三浦ベイ輔です。

ファーム通信を書くつもりで坂本選手のことを書き始めたのですが、思ったよりも盛り沢山の内容になったので、単体で記事にしました。

中継ぎとしてスタートした今シーズンでしたが、現在はファームで先発として調整しています。

そもそも今年の坂本選手にどのような変化があったのか。
そして先発への再転向への可能性とは?
改めて考えてみました。

今年の変化と成長

即戦力投手として期待され、2019年に入団した坂本選手。
入団時から先発投手としてキャリアを重ねていましたが、中々結果を残すことができず、1軍と2軍を行ったりきたりする生活が続いていました。

中継ぎとして起用される機会も増え、今年は開幕から中継ぎ投手としてスタートしました。
そんな坂本選手にある変化が発生しました。

2022年ストレート平均球速(2軍):141.7km/h
2023年ストレート平均球速(1軍):146.4km/h

2022年ストレート投球割合:38.9%
2023年ストレート投球割合:59.5%

ここ数年141km/h代だった平均球速は146.4km/hまで上がり、直球の投球割合は6割近くになるなど、”直球ゴリ押しピッチング”をするようになりました。
今永、石田、濵口、石川、東と大卒左投手は軒並み球速を伸ばしているベイスターズですが、坂本選手も大きく球速を伸ばすことに成功したのです。
直球で勝負できる感覚を得ることができたのではないでしょうか。

チェンジアップ投球割合
2022年:0.3%
2023年:14.8%

そしてもう一つの大きな変化はチェンジアップを復活させたことでしょう。
初年度は積極的に使っていましたが、ここ2年間はほとんど使っていなかった球種です。ストレートの球速が上がったことによる影響かもしれませんが、この球が決め球として使えるようになりました。

チェンジアップWhiff%(空振/スイング)
2020年:27.3%
2023年:44.4%

ルーキーシーズンは中々空振りが取れなかったチェンジアップですが、空振りが取れるようになったのは大きな成長でした。ウイニングショットを中々見いだせていなかった坂本選手にとっては大きな収穫でしょう。

球速を伸ばし、決め球となり得るボールも手に入れた坂本選手。
ここで中継ぎとして登板した今年の成績を見てみましょう。

2023年中継ぎ成績(1軍)
防御率:4.20
K%:13.6%
BB%:12.1%

2023年中継ぎ成績(2軍)
防御率:2.20
K%:31.6%
BB%:13.1%

1軍でのキャリア通算K%が14.2%の坂本選手ですが、出力がアップしたことで2軍で三振率は30%を超える数値を残しました。ここは坂本選手にとっては手応えを感じた部分だったのではないでしょうか。

一方でキャリア通算8.6%だった四球率は1軍においても2軍においても10%を超えました。
中々ボールが制御できない中でカウントを悪くして痛打されるケースも多く、1軍では思うように三振を奪うことはできず。
“出力を上げた状態でボールを制御すること”が新たに坂本選手に課題としてのしかかったこととなります。

先発再転向へ

新たな課題を抱え、2軍へ合流した坂本選手。
そこで再び先発投手として、登板することとなりました。

2023年2軍成績(先発)
4試合
防御率:1.82
K%:13.3%
BB%:3.3%

なんとなんと!先発転向したタイミングで突如制球が安定しました。
四球率は脅威の3%。打者90人に対して出した四球はわずか3つ。
三振がそれほど取れていないことは気がかりですが、制球が安定したことで、安定した試合作りが出来ています。

Zone%(ストライク率)
先発時:30.5%
救援時:41.8%

ストライク率を見ると明らかですね。実際に投球を見ていても、しっかりとゾーン内中心に落ちついて投球できているように見えます。

ここで多くの方が懸念されるのが、”出力を落として投げているのではないか?”ではないかと思います。結局ここで球速落としてたら意味ないですからね。
でも安心してください。球速、落ちてないです。

先発転向後平均球速:145.2km/h

中継ぎとほぼほぼ変わらない球速で投げれています。直近の試合では150km/hを超える直球も投げることもできています。
純粋に出力を上げた上で先発に挑戦できていることはかなり大きいですね。

さらにもう一つの変化は投球割合です。
ここで8回途中まで好投した8月15日の投球を見てみましょう。

ストレートの投球割合を減らし、カットボールの割合を増やしているように見えます。
特にカットボールは右打者に対しても有効に使えており、決め球チェンジアップが不調だったこの試合で上手く活用できているように見えました。
先発転向するにあたって、ある程度使える球種は増やす必要がある中で、このカットボールを左右問わず使えることは、大きなプラスの効果をもたらすと思っています。

また昨年投げていたツーシーム等も上手く活用できてくるとより面白くなるとは思うので、球種については今後も注目していきたいですね。

最後に

いかがだったでしょうか?

先発へ再挑戦している坂本選手。三振率の低さは少し気になりますが、個々の球種は良いものを持っており、球速も出てきてはいますので、三振率も上がってきてくれると思ってます。

一度中継ぎを経験して出力を上げる→先発再転向の好事例が作れると、上茶谷選手や入江選手、京山選手でも応用することができます。
裏ローテが苦戦し、来年の先発投手の頭数にも不安を抱えるベイスターズ。
実は坂本選手の先発再挑戦は今後のベイスターズを担うとも思っているので、成功例になってくれることを信じてます。

今後の動向に注目し、坂本選手の先発再挑戦を応援していきましょう!

データは1.02より引用(2023/8/24時点)

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