山崎康晃を考える ~今シーズンの康晃と好調シーズンとの違い~

考えるシリーズ

こんにちは!三浦ベイ輔です。

本日は我らが誇るクローザー、山崎康晃選手についてです。

今年噂されていたメジャー挑戦ではなく、ベイスターズ残留を選択してくれた山崎投手。
多くのファンが喜んだ中迎えた今シーズンですが、ここまでの実績はこちらです。

2023年山崎康晃選手
0勝4敗
防御率:4.70
WHIP:1.43

セーブ数こそリーグトップではありますが、防御率やWHIP等の指標は過去最低クラスであり、すでに4敗。
苦しいシーズンとなっています。

巷では守護神を剥奪すべきなのか含め多くの方の議論に対象になっている山崎選手。
そんな山崎選手について今季ここまでの内容を掘り下げたうえで、今後の山崎選手について考えていきたいと思います。

今シーズンの山崎康晃

昨シーズン、キャリアハイ並みの成績を残し、完全復活を残した一方、上記の通り苦しんでいる今シーズン。
多くの方も言及していますが、内容的には「決して悪くない」シーズンだと思っています。

K%:27.0
BB%:5.0
kwERA:2.22

K%は好調だった昨シーズンを上回り、ほぼキャリアハイレベル。苦しかった2020年、2021年シーズンが17%前後だっとことを考えると十分過ぎる水準。
BB%も同様にキャリアの中でもトップクラスに少ない。

では何故ここまで防御率が悪いのか。

HR/FB:15.0
DER:.615

大きな理由は「運」の要素でしょう。DER(本塁打とファウル以外の打球のアウト割合)は20イニング以上投げた投手の中では下から2番目、HR/FB(フライに占める本塁打の割合)も同じく12球団で下から2番目です。
上記2つの指標は投手の力で制御することが難しい指標とされており、運は悪いということは言えるかと思います。

実際に運を排除した指標が下記になります。

kwERA:2.20
xFIP:2.22

kwERA(三振、四死球から算出した疑似防御率)は2.20と高い水準。xFIP(与四死球、奪三振、外野フライにより投手評価)は2.22とキャリアハイに近い数値。やはり“運の影響”は強く感じてしまいます。

ただ一方でHard%(強い打球を打たれた割合)はキャリアワースト。
一概に「運だけ悪い」とも言い切れないのも事実です。

そもそもクローザーという役職は、誰よりも“内容より結果”が求められるポジション。
多少運に見放されようとも抑えてほしいというのが、ファンの想いであるとは言えるでしょう。

好調シーズンとの大きな違い

山崎康晃選手と言えば「好調シーズンの不調シーズンの差が大きい」選手であるという認識は多くの方が持っていると思います。

では好調シーズンと不調シーズンの一番大きな違いは何でしょう。

個人的にはストレートの投球割合が一つのバロメーターだと思っています。

山崎康晃 ストレート投球割合の多い年
2017年 54.3%
→防御率1.64
2022年 52.8%
→防御率1.33

ストレートの投球割合が多かったこの2シーズンは防御率が良いことが良くわかるかと思います。
もちろん伝家の宝刀スプリットも素晴らしいボールではありますが、「ストレートで押せているかどうか」が山崎選手の状態を図るうえで重要だと考えています。

その上で今年のストレートの投球割合は46.7%。キャリアでは2番目に少ないです。

では今年はストレートの状態が悪いのか。
個人的には決してストレートの質は悪くないと思いますし、むしろ良いと思っています。

2023年 山崎康晃ストレート
平均球速149.6km/h(キャリアハイ)
空振率:12.3%

平均球速は30歳にしてキャリアハイ。
空振率12%超えは昨シーズンの7.1%を大きく上回る水準。
ストレートの状態が良いことが高いK%の要因とも言えるでしょう。

冷静に考えてほぼ2球種であるにも関わらず、これだけ空振りとれるストレートってとんでもないですからね…
勤続疲労を抱えながら、30歳にして平均球速キャリアハイなのも含めもっと評価されても良いと思ってます。

ストレートの状態は良い。それであれば、

“もっとストレートでゴリ押しするヤスアキがみたい”

と私は思っています。

もちろんストレートの割合を減らしているからこそストレートが有効に作用し、良いスタッツを残しているということも考えられるでしょう。
そしてストレートの割合を増やしたからと言って、必ずしも上手くいくわけではないことは重々承知です。

ただここはデータとか関係なく、一人のベイスターズファンとして

“ヤスアキのストレートをもっと見たい”

と思っています。

何より好きなんです。ヤスアキのストレートが。
12球団で一番気迫を込めてストレートを投げる選手だと思っていますし、ここまで投げてきた投手の想い、点を取ってくれた野手の想い、そしてファンの想いをすべてボールに込めて投げてくれる投手だと思っています。

今年も5月に12球連続ストレートで広島打線を抑え切った、そんな試合がありました。
そのようなヤスアキの姿が見れることを期待して、交流戦明けも応援し続けていきたいと思います。

最後に

いかがだったでしょうか?

最後はただ「康晃のこういう姿を見たい」という願望を垂れ流すだけになってしまいましたが、やはり力強く相手を圧倒する投球を見せてほしいというのはファンの総意かと思います。

自力で再びつかみ取ったクローザーというポジション。失敗すれば批判の対象になり、自尊心まで傷つけられる過酷な役割ではありますが、そのような役割でこそ山崎選手は輝くのだと信じています。

メジャー挑戦という道ではなく、ベイスターズとの6年契約という道を選んでくれた山崎選手。

念願のリーグ優勝、そして日本一の際にマウンドに立っているのは山崎康晃選手であってほしい。
そう願うばかりです。

※データは2023/6/22時点
One Point Zero Two|1.02 (1point02.jp)よりデータ引用

コメント

タイトルとURLをコピーしました