松尾汐恩を考える ~突出したある能力と未来予想図~

考えるシリーズ

こんにちは!三浦ベイ輔です。

本日は我らがトッププロスペクト、松尾汐恩選手についてです。

2022年ドラフト1位で大阪桐蔭高校からベイスターズに入団した松尾汐恩選手。
大きな期待を背負ってプロ野球生活をスタートさせましたが、2023/6/12現在、二軍において十分と言える成績を残しています。

打率 :.270
本塁打:3
打点 :22
OPS  :.732

高卒1年目の捕手としてこれだけ結果を残せる選手は少なく、期待に胸を膨らませているベイスターズファンは私だけではないはずです。

本日は松尾選手の打撃に関する特徴や強みを掘り下げた上で、「将来的にどのような選手になるのか」を考えてみたいと思います。

前提

まず、前提として2軍での成績から1軍での成績を予想することは大変難しいことです。

2軍で高打率を叩き出していた選手が1軍で何もできずに2軍へ帰っていく光景を何度も目にしたことでしょう。これは1軍と2軍で明確なレベル差があることから当然と言えば当然です。

ただ、2軍成績と1軍成績で一定の相関性がある指標もあります。

よく言われているのが
・K%(三振割合)
・ISO(長打率-打率)
 ※打者の純粋な長打力を表す指標
の2つの指標です。

2軍で三振の割合が少ない選手は1軍でも三振の割合が少なく、一定程度のコンタクト能力を発揮できると考えられています。
また長打力に関しても正の相関があると考えられています。2軍で長打を多く打っている選手は、確率こそ下がれど1軍でも長打を打てる力を有しているということになります。

これは研究、考察されている方がいらっしゃいますので、興味ある方は「二軍成績 相関」とかでググってみてもらえればと思います。

松尾選手の突出した能力

それでは上記前提を踏まえ、まずは松尾選手の三振割合を見てみましょう。

K%(三振割合):7.1

え!?!?!?!?!?
ちょっと腰抜かすレベルの数値です。

K%は100打席以上の2軍選手98名の中で4番目に低いです。当然高卒、大卒問わずルーキーの中で断トツでトップの成績です。
まだ高卒1年目の6月。何故これほどまでに三振が少ないのか。

Z-Contact%(ストライクゾーンコンタクト率):95.4%

この数値、2軍選手(100打席以上)の中でトップの数値です。

とにかくコンタクト率が高く、ゾーン内に来た球はほとんど空振りをしないことがわかるかと思います。ちなみに今年1軍選手でこの数値を超えている選手は日ハムの松本選手(96.6%)と中日の大島選手(95.9%)のみです。この2人のことをイメージして頂くと、「どのくらい空振りしないか」がイメージしやすいと思います。

ISO(長打率-打率):.151

ISOもK%ほどではありませんが、高い数値を示しています。100打席以上の2軍選手98名の中で26番目に高い数値であり、全ルーキーの中ではヤクルトの澤井選手、阪神の井坪選手に続く3番目の成績です。
日本ハムの横尾選手や、阪神の陽川選手よりも高い数値を記録しており、高いコンタクト能力を有しながらも一定の長打力を持つ選手になってくれることが期待できます。

類まれコンタクト能力があるにも関わらず、長打力もある”

どうでしょう。ベイスターズファンの皆様は口元が緩んでいるのではないでしょうか?

課題について

では松尾選手の課題はなんでしょうか?

取り立てて致命的に低い指標はありませんが、現状ファーム選手の中で平均以下となっている指標にも触れておきます。

Hard%(強い打球の割合):31.1%

強い打球の割合は現状2軍でも平均以下です。ここに関しては松尾選手はまだ体作りも完成しておらず致し方ない部分かと思っています。ドラフト時から体重を10kg増やすなど、松尾選手も意識的に取り組んでいることが垣間見えますので温かく見守っていきましょう。

ボール球見極め率:68.1%

これも平均以下の指標となっています。これも初球から積極的にスイングしていくスタイルである以上仕方がない部分だと思っています。むしろボール球の見極めが十分ではないにも関わらず、三振はしない類まれなコンタクト能力に目を向けましょう。
実際に低めのボール球をセンター前に運ぶような打撃も見せていますしね。

松尾選手の未来予想図

以上のことを踏まえ、松尾選手は将来どのような選手になっていくのか、未来予想図を考えてみましょう。
あくまでも願望を込めた前向きな予想になりますので、話半分程度に聞いて頂ければと思います。

まずは、他選手のルーキー時代の成績と比較して考えてみましょう。
高卒1年目から三振割合が低く、高いコンタクト能力を発揮したスーパースター。
ある選手が思い浮かびました。

鈴木誠也 2013年2軍成績

打率:.281
本塁打:2
K%:9.8
ISO:.087

はい。横浜優勝。黄金時代到来です。

鈴木誠也選手は1年目からK%が10%を切っており、高いコンタクト能力が評価されていた選手になります。当時はまだ線も細く、長打はまだ少なかったものの、2年目にISOも.087→.131へと上昇したことで1軍での出番を増やしていきました。

松尾選手に関しては、現段階では鈴木選手よりもK%は低く、ISOも高いです。鈴木誠也選手のようなスーパースターになる可能性を十分に秘めていると考えても問題はないのではないかと考えています。

次は他選手の現在の成績で、松尾選手の特徴である
・三振が少ない
・一定程度の長打力
に近い選手を考えてみましょう。

西川龍馬 2023年成績

打率:.303
本塁打:6
K%:8.9
ISO:.127

同じく広島の西川選手。
彼もコンタクト能力が高く、長打も一定程度打てる選手です。

また、西川選手については現状弱みとなっている打球の強さやボール球の見極めについても近い数字を見せています。

Hard%:35.0%
ボール球見極め率:66.7%

多少のボール球でも積極的にスイングしながら、高いコンタクト能力と技術でヒットを量産する西川選手。
もちろん現在の松尾選手が1軍でこの成績を残すことができるとは考えにくいですが、打撃スタイルとしては非常に近いことが伺えます。

以上2名のスター選手との比較から、今のまま強みを伸ばしていけば中軸を任せられる選手に成長してくれそうなことがお分かり頂けると思います。

果たしてどのような選手に育ってくれるのか。本当に楽しみな逸材ですね。

まとめ

いかがだったでしょうか。
すでにプロのレベルでも高いコンタクト能力を有していることを証明している松尾選手。

個人的には1番ショート森敬斗、2番キャッチャー松尾汐恩の未来を想像するだけで笑いが止まりません。

これからどのような成長曲線を描きどのような選手になっていくのか楽しみにしながら、温かく見守っていきましょう。

※データは2023/6/13時点
One Point Zero Two|1.02 (1point02.jp)より引用

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