高校生のドラフト指名を考える ~ファームの現状整理~

考えるシリーズ

こんにちは!三浦ベイ輔です。

さて夏も本格化してまいりまして、全国各地で夏の高校野球も開幕し始めています。
未来のプロ野球選手候補生たちが輝きを見せ、ドラフト界隈も盛り上がってきたところでしょう。

ということで、今回は「ベイスターズはどのような高校生を指名するべきか」について、現状のファームの人員や年齢帯、成績を基に考えていきたいと思います。

なお、高校生の指名ということで即戦力ではなく、1軍で活躍するには複数年の育成を要する素材型の人材という前提で考えていきたいと思います。

また、ドラフト候補生についてはまだ自分の目で見ている選手は少ないため、具体的な名前は出しません。ご承知おきください。

野手 ファーム現状整理

まずは野手です。

野手については「打撃で得点を増やす能力」をwRC+で定量化した上で、年齢順に整理してみました。
左上に近ければ近いほどトッププロスペクトのイメージです。
※データはDELTA社より引用 2023/7/11現在

wRC+という指標は、打撃での得点貢献を二軍平均を100として数値化したものになります。
wRC+が130であれば”二軍平均の1.3倍の得点創出力を持つ”と考えて頂ければと思います。
※今回守備は考慮していないことはご承知おきください。

・全体
いわゆる走力型の選手と超若手を除いてほとんどの選手が平均ラインを突破している状況
1番wRC+が高いのは知野選手。140ということで二軍平均の1.4倍の得点創出力を持っていると考えてよいでしょう。3年前のwRC+は80。順調に成長していますね。
梶原選手、蝦名選手、西巻選手も高いwBC+を記録しています。3年前の関根選手のwRC+が25歳で130程度だったことを考えると、後は「1軍でいかにチャンスを掴めるか」のフェーズに入っているように思います。
一方で突き抜けて高い打撃力を発揮している選手はいない状況です。2軍で100打席以上立っており、wRC+が150を超えている選手は全部で18人いますが、DeNAからは0。
“平均以上の打撃水準の選手を多く抱えているが、突き抜けてる選手はいない”が現状と言えるでしょう。

・捕手
ここは明確に「強み」の分野ですね。今年加入した松尾選手、上甲選手がすでに能力を発揮し、毎年成長を重ねてきた東妻選手、益子選手の打撃も平均以上。1軍に帯同している山本選手もおり、他球団と比較すると十分過ぎる水準です。
むしろコンバートやトレードが視野に入ってくる状況と考えても良いでしょう。

・内野手
森選手は打撃で平均以上、かつ守備もプラスであることを考えると、十分プロスペクトですよね。
林選手が1軍にいたため、表には入っておりませんが、2軍で平均程度に打ってくれれば二遊間は各世代バランス良くはなりそう。1軍にいる牧選手も京田選手も20代ですしね。
少し気になるのは、1.3塁を守れるコーナー担当。蓮選手がポテンシャルを見せているのは好材料ですし、小深田選手も昨年良い成績を残したので長い目で期待したいところですが、やはり打撃に優れた選手が多いポジションなだけに確保しておきたいように感じます。

・外野手
打撃、守備とバランスよくこなせる蝦名選手、梶原選手、勝又選手、走力型の村川選手、大橋選手が22歳~25歳ラインにおり、次世代のネクストブレイク勢は充実。18歳~22歳ラインに外野手は不在だが、高校生外野手の成功例は少なく、コンバートで対応できるポジションでもあるため、どう捉えるかですね。

野手 まとめ

以上の事をまとめると、
・平均以上の打撃力を持つ選手が多いが突出した選手はいない。
・捕手は充実
・内野手はコーナー(特に3塁)の選手が不足気味
・外野手は充実も若手は不足気味
ということになります。

そうなると捕手以外の内野と外野の人員は高校生で確保しておきたいように感じます。

ここ20年の高校生指名の傾向だと、
・上位から中位の内野手高校生指名は成功例も多い
・高校生下位指名野手は成功率が特に低い
・高校生外野手の成功例は少ない
ことから個人的には

“上位と中位で打撃が強みの内野手を1人ずつ獲得してほしい”

と考えています。

外野手の若手は不足していますが、将来的にコンバート等も視野に入れて内野手2名指名としました。
今年は打撃に強みにある選手も多そうなので、期待したいところですね。

投手 ファーム現状整理

続いて投手。

投手については「投球で失点を抑える能力」をxFIP-で定量化し、年齢と共に整理してみました。
こちらも二軍平均を100とし、投球の失点抑止力が平均の何倍かを表す指標です。
xFIP-が80であれば、二軍平均の0.8倍、失点を抑える能力があることになります。
気持ち中継ぎの方が優位に出やすい指標ですので、その点はお含みおきください。

※登板イニング5イニング以下の選手は除外していますのでご容赦ください。
※データはDELTA社より引用 2023/7/11現在

先発陣は20代後半に固まり、20代前半に中継ぎ候補が固まっています。配置転換もありそうですが、少しバランスの悪さは感じますね。

平均ラインを超えている選手は多く、特に中継ぎ陣は充実しています。一方で先発陣はやはり手薄。
今回の趣旨と外れますが、やはり即戦力の先発型投手は必要に感じますね。

高卒組は森下選手や深沢選手が高いポテンシャルを見せており、小園選手も高卒2年目としては十分合格ライン。
一方で高田選手、松本選手の両左腕は怪我もあり苦戦気味の状況。若手左腕は不足気味とも言えるでしょう。

タイプ的には森下選手も深沢選手も小園選手も現状出力で勝負するタイプではないことから、球速ポテンシャルのある素材型の選手も抱えておきたい気もしますね。

投手 まとめ

以上の事をまとめると
・若手左腕は不足気味
・出力の高い素材タイプ
も不足気味
となります。

近年の高校生投手の傾向だと上位指名はハイリスクハイリターンという話もあり、中位、下位から化ける選手も多いことから個人的には

“中位で高校生左腕、下位でポテンシャルの高い素材型投手”

を指名してほしいと考えています。

昨年の森下選手のような指名は理想ですね。

最後に

いかがだったでしょうか?
ファームの状況を整理したうえで、今年の高校生指名を考えてみました。
当然正解はなく、人によって優先順位が変わるところかと思いますので、あくまでも個人的な希望として捉えて頂けると幸いです。

高校野球シーズンに突入した中で、皆様もどのような高校生が欲しいかを考えて頂いた上で、高校野球を見て頂くとより楽しめるかと思います。

将来的にベイスターズで活躍する姿をイメージしながら、楽しんでいけたらいいですね!

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