こんにちは!ファーム通信2回目になります。
今回はファームで活躍を見せている3名のルーキー達をご紹介させていただきます。
彼らにどのような特徴があり、どのような成長を見せているのか、データから考えてみたいと思います。
上甲 凌大
まずは育成1年目の上甲選手。
上甲 凌大
打率:.286
HR:3
打点:13
OPS:.752
1年目から3割に迫る高打率に加えてホームランもすでに3本と素晴らしい活躍を見せています。
上甲選手の素晴らしいところは、“とてつもないスピードでNPBのレベルに順応していること”だと思っています。
3.4月 打率:.195 OPS:.494 5月 打率:.273 OPS:.890 6月 打率:.388 OPS:.922
開幕当初は中々ボールにコンタクトができず、苦しんでいる様子が見受けられましたが、とてつもないペースでアジャストしています。
特に特徴的なのは”打球の強さ”でしょうか。
Hard%:37.9% Soft%:14.9%
強い打球の割合は37.9%と50打席以上の選手ではチームトップ。
弱い打球の割合も14.9%とチームトップクラスに少なく、打球の質が素晴らしい印象です。
3.4月で結果が出なかった時に、普通の選手であれば多少当てに行く打撃に逃げてしまいそうなものですが、上甲に関してはしっかりとスイングをした上で自分の打撃スタイルを崩すことなく、NPBのレベルにアジャストしてきたのが凄いところです。これはセンスですね。
また守備についてもフレーミングの指標やブロッキングの指標でチームトップ。守備に関してはすでに一軍で通用するレベルにも見えてきます。長打が打てて、守備の上手いキャッチャー。最高ですね。
一方でしっかりとスイングをする分、三振割合は32.4%とコンタクト能力は課題になりますが、ここは成長してくれると信じましょう。
中日で大活躍中の細川選手のように40%超えていた三振割合が20%前後まで良化した事例もありますので、2軍コーチ陣と上甲のさらなるポテンシャルに期待しましょう。
松尾選手、益子選手、東妻選手含めハイレベルな争いが繰り広げられている2軍捕手陣。切磋琢磨しながら成長してくれれば、数年後の捕手王国化は間違いなしです。
蓮
続いては同じく育成から蓮選手。
素材型の高卒1年目のルーキーながらすでに2軍には欠かせない存在になっています。
蓮
打率:.242
HR:1
打点:7
OPS:.651
ISO:.121
打率も.250前後まで上昇。先月はプロ初ホームランを記録し、すでに才能の片鱗を見せています。
蓮選手も上甲選手と同様にとてつもない成長速度でプロのボールに対応をしています。
3.4月 打率:.133 OPS:.388 5月 打率:.282 OPS:.727 6月 打率:.267 OPS:.746
上甲選手と同様に開幕当初は苦戦したものの、5月にはすでにコンタクトが出来るようになり、6月には長打も出るようになりました。元々身体能力の高い選手との話はありましたが、想像以上の成長スピードには驚きを隠せません。
蓮選手の特徴で言えば、”逆方向に強い打球を打てる選手”であると考えています。
Pull% :21.4% Cent%:32.4% Oppo%:45.7%
蓮選手のようなパワータイプの選手において、引っ張り割合が最も低い選手は中々いません。Oppo%(逆方向への打球割合)45.7%はDeNAの2軍選手において最も高い割合です。
だからといって逆方向に当てにいくような打球が多いわけではありません。ISOも.121と一定の長打力をすでに発揮していますし、実際に打席を見ていても、逆方向を強く意識しながらも強いスイングは出来ており、ライト方向に良い打球が飛ぶケースも増えてきたように思います。
まだまだコンタクト能力には課題もありますが、以前、本人が楽天の浅村選手を目標にしていると発言していたように、いずれどの方向にも本塁打を打てる選手に成長してくれるのではないかと思っています。
最近はショートを守る姿も確認され守備面も成長が期待されている蓮選手。
今後の活躍に要注目です!
森下 瑠大
続いても投手から高卒ルーキーの森下瑠大選手。
まだ4試合の登板ですが、すでにポテンシャルを見せています。
森下 瑠大 イニング:6 1/3 防御率::1.42 K%(三振割合):16.0% 被打率:174
高卒1年目ながらすでにプロのレベルに適応し、立派な戦力として投球を続けています。
最初は1イニングのみでの登板でしたが、イニング数も少しずつ増やしてきてるため、先発として育てたい首脳陣の意向を感じます。
個人的に最もポジティブに捉えていることはどの球種でも空振りを奪えていることです。
空振率
ストレート:6.5%
スライダー:22.2%
チェンジアップ:25.0%
ツーシーム:6.3%
すでにスライダーやチェンジアップの空振率は20%を超えており、ストレート系の空振率も5%以上とすでにプロのレベルで立派に通用していることがわかります。何か1球種だけならともかく、高卒ルーキーがこれだけ多くの球を操れているということが驚きです。
これからどのような成長曲線を辿っていくのか楽しみですが、イメージ的には“制球が良くツーシームを使える石田健大投手”のような感覚で見ています。
若い左の先発投手はベイスターズに不足している部分。これから森下選手が“左のエース”として大きく羽ばたいていってくれることを期待しています。
※データは2023/7/8時点
※DELTA社より引用
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